こんにちは。ペペ子(@pepeko_segirl)です。
新卒で SIer の会社に入ってから2年間、SEとして仕事をしてきました。
最近ようやくSEの自覚が芽生えて技術系のブログを読んだりするようになりました。
しかし大学時代からすごくITに興味があったわけではありません。
入学当初はPC操作もままならないような学生だったので、
”IT=響きはかっこいいけどなんだか難しそう”
というイメージを持っていました。
大学時代の所属は、技術のぎの字もない文系の学部です。
文学や映画の作品研究をする授業が好きで、
- 一つの作品における映画と小説での表現の違いを探る
- あるテーマに沿って複数の作品を横断的に鑑賞してみる
といった「全く就職の役に立たなそうな授業」を嬉々として受けていました。
授業でエヴァなどのアニメを観ることもしばしばありました。オタクにはたまりません。
学部の授業が今の仕事に生きることはほとんどないですが、当時はこうした勉強がとにかく楽しかったです。
多分老後も同じような勉強を趣味としてやっているんだろうなと思います。
そんな私が今こうしてSEをしている大きな理由は、大学時代に学部の授業とは別に履修していた教職で「ICT教育」という言葉を知ったからでした。
ICT教育は、ざっくり説明すると「ICT(情報通信技術)を活用した教育指導」です。
実際の公教育現場で実践されているICT教育施策の例を挙げると、
- 電子黒板やタブレット教科書を使用した授業を行う
- ビデオ会議の仕組みを使って日本の教室にいながら外国の子供たちと交流を図る
といった取り組みがあります。
現場で実践されているICT教育のイメージを知りたい方は下記の動画を参照ください。
先生は黒板を使い生徒はノートに板書をするというアナログな授業しか経験したことがなかったペペ子は、「ITで授業の幅がぐっと広がるの、面白いな~」とわくわくしました。
このようないきさつでPCの操作も苦手だったペペ子がITに興味を持ち、就活でIT系と呼ばれる企業の選考を何社か受けました。
(あれ、教職は?と思ったあなた。鋭いですね。理由があって先生になるのは辞めました。そのことについては別の記事で書こうと思います)
そして内定をいただいた企業の中で一番規模が大きくて待遇が良さそうな会社に入社しました。
それが今働いている SIer の会社です。
入社当初は「文系出身の私にSEが務まるだろうか?」と不安を抱えていました。
おそらく文系でSEになろうとしている人が一度は抱える不安だと思います。
実際に文系出身のSEとして2年働いたペペ子は、
「文系出身でもSEは務まるし、なんなら文系出身としての旨味もある」
と思っています。
そこでこの記事では「文系だけどSEを目指すかどうか迷っている人」に向けて、
- 文系出身でもSEが務まる理由
- 文系出身だけどSEになってよかったと思うこと
の2点をお伝えしたいと思います。
1.文系出身でもSEが務まる理由
正直なところ、「文系か理系か」は「SEが務まるかどうか」にはほとんど関係ないです。
なぜなら、SEは
「勉強意欲とコミュニケーション能力があれば誰でもできる仕事」
だからです。
システム開発で求められるのは以下の2点です。
- お客さんがシステムで何をしたいのか(要件)を理解すること
- 要件を実現するための開発を行うこと
1についてはお客様との意思疎通をスムーズに行う力、すなわちコミュニケーション能力が求められます。
2については「開発に必要な技術の知識」が必要で、これは自ら勉強しなければ身につけられません。
仕事を行う上で最低限必要な知識は配属前の研修で同期と一緒に勉強できる機会があるでしょう。
しかし世の中では次から次へとITトレンドが生まれるので、新規技術へのキャッチアップも必要となります。常に勉強が必要な業界なのです。
また、開発はほとんどの場合チームで行われるので、チームメンバーとスムーズにコミュニケーションをとることが求められます。
以上の理由から、勉強意欲とコミュニケーション能力がそろっていれば文系理系関係なくSEになれるといえます。
強いて言えば、情報系学部出身の人は学部時代の勉強が仕事で少し役立つかもしれません。
ただ、大学で学ぶのは「知識」であり、ビジネスで行うのは「実践」です。
したがって、情報系学部出身の人も結局社会人になってからビジネスとしてのシステム開発を学ぶことになります。
情報ビジネス系の専門学校にでも通っていない限り、入社時の仕事力レベルはほぼ同期と横並びといえるでしょう。
2.文系出身だけどSEになってよかったと思うこと
次に、文系出身のペペ子が実際に「SEになってよかったな」と思うことをお伝えします。
キャラが立つ
SEになる人は理系の人が圧倒的に多いです。
体感的には8割ぐらいが理系出身。
文系SEは存在そのものが貴重。
そのため、文系出身というだけでキャラが立つんですね。
仕事関係の人に文系出身であることを伝えると、
「どんな勉強をしていたの?」
「なんでSEになろうと思ったの?」
と興味を持ってもらえます。おいしいです。
あと存在が希少であるが故に、文系SEと出会うと意気投合します。
物事を俯瞰的に見る力が生きる
理系の学生が一つのテーマに沿ってじっくり研究している一方で、文系の学生は所属学部の学問領域を広く浅く学びます。
※あくまでペペ子の体感です。異論は認めます。
文系の人は広く浅く学ぶ結果、卒業するころには
「世界をある視点から俯瞰的に見る」
という力が身に付きます。
※ある視点…文学・教育学・経済学・法学・社会学など、所属する学部や履修する授業によって変わります。複数の分野に手を出せば、ある視点は複眼になります。
全体を俯瞰的に見る力は、SEの仕事でも役立ちます。
特に上流の企画・要件定義工程では
- 顧客の業務の全体像
- 開発するシステムの全体像
を把握して、ドキュメント化する作業が必要になります。
ペペ子は設計も要件定義も少し経験しましたが、設計のような細かい仕様を決めるよりも要件定義で大まかな全体像を決めるほうが向いているなと思います。
理系に囲まれる環境が新鮮で楽しい
実学系の学校などを除くと、日本の学生は高校時代に文理選択を迫られます。
ペペ子の高校では高2で文系・理系に分かれました。
国語・社会が好きで理科・数学が苦手だったペペ子は迷いなく文系に進みました。
そして高2から大学4年まで、どっぷり文系のコミュニティにつかりました。
しかし SIer に就職すると、そこは理系がマジョリティの世界。
高2以降理系の人と交わる機会が少なかったので、かなり新鮮でしたね。
まず感動したのは、理系出身の人はロジカルシンキングが上手!
研究で考察を重ねるうちに鍛えられたのでしょうね。
論理より直感を重視して生きてきたペペ子は、差を感じました。
同じく直感派の文系の方、安心してください。
ロジカルシンキングは訓練すれば鍛えられます。
というか、仕事をするうちに鍛えられます。
文系出身の人が
- 理系出身の人がマジョリティの空間で
- 理系出身の人と全く同じ環境で働ける
こんな職種、SE以外ではなかなかないのではないでしょうか?
しかも新卒でSEになる場合、文系出身であることのハンデはほぼなし。
今まで違うステージで生きてきた人と一緒に仕事をするのは、新鮮で楽しいですよ。
SFアニメが2倍楽しめる
ペペ子は中学時代からアニメが好きです。
今でもちょこちょこアニメを観ているのですが、入社してから3か月過ぎたぐらいの頃に「PSYCHO-PASS(サイコパス)」を観ました。
アニメを観ながら、「今まで聞き飛ばしていたようなIT用語が、分かるぞ…!」と感動しました。
解説しましょう。
「サイコパス」とは、高度にシステム化された22世紀の日本社会が舞台のアニメです。
サイコパスの世界において、国民は街中に張り巡らされているスキャナーに監視され、「シビュラシステム」というシステムに身体的・心理的な個人情報を管理されています。
設定を細かく説明していると長くなりそうなので、ぜひアニメを観てください!
サイコパスの中の日本は、今私たちが生きている日本よりもずっとシステム化が進んでいるので、登場人物が視聴者のためにシステムの仕組みを解説してくれることがたびたびあるんですね。
横文字のシステム用語がたくさん出てくるので、ITに詳しくない人であれば「細かいことはわからんけど、なんとなく分かる」レベルの理解で聞き飛ばすと思います。ITに興味がなかった学生時代の私もそうでした。
しかし社会人になってシステムの仕組みの基礎を理解したあとに観たら、面白いほどセリフの内容が理解できたんです!この感覚は、英語の勉強の成果が出るときと似ています。
英語を勉強する前はまったく洋楽が聞き取れなくてノリで楽しむけど、勉強していくうちに洋楽の一説がふと「あ、何言ってるか分かる!」ってなる、あれです。
分かることが増えると、世界が一気に広がる気がして面白いです。
ちなみにこうした近未来社会が舞台のストーリーが大好物なので、おすすめの作品があればぜひ教えてください。
まとめ
以上、ペペ子が「文系だけどSEになってよかった」と思うことでした。
繰り返しますが、SEの仕事に理系も文系も関係ないです。
文系の皆さん、就活の際はぜひSEの仕事も検討してみてください。
この記事を読んでくれている読者の皆さんといつか一緒に仕事ができたら面白いなと思っております。
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