こんにちは。ペペ子(@pepeko_segirl)です。
私は映画が好きです。
それも映画館で観るのが好きで、予定のない週末は大体都内の名画座(※)に繰り出しています。
※旧作映画を主体に上映する映画館
今年見た映画は下記24本。
- 生きてるだけで、愛
- 愛しのアイリーン
- アンダー・ザ・シルバーレイク
- A GHOST STORY
- きみの鳥はうたえる
- 寝ても覚めても
- 逆襲のロボとーちゃん(クレヨンしんちゃん)
- 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし(クレヨンしんちゃん)
- 日日是好日
- 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
- 天気の子
- グリーンブック
- ビリーブ 未来への大逆転
- Beautiful Boy
- WILD LIFE
- COLD WAR あの歌、2つの心
- 幸福なラザロ
- 運び屋
- さらば愛しきアウトロー
- さよならくちびる
- 愛がなんだ
- 突然炎のごとく
- 柔らかい肌
- 永遠に僕のもの
- 僕たちは希望という名の列車に乗った
今回は上記リストから個人的なベスト5を選び、読者の皆さんに紹介します。
主に旧作を鑑賞しているので、2019年に公開された映画のランキングではないことをご了承ください。
また、完全に私の趣味のランキングなので、趣味が合わないと思った方はそっとページを閉じてください・・・(笑)
それでは、ランキングに参ります。
第5位 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
2007年に公開された本作。公開当時すごく話題になったので、今20歳以上のほとんどの日本人が、このタイトルを知っているのではないかと思います。
公開当時中学生だった私は、「面白そうだな~」とは思っていたものの、部活やら勉強やらでタイミングが合わなくて観れていませんでした。
今年の6月に目黒シネマで本作が上映されたので、10年越しの鑑賞をしました。
この作品は「オカン」がガンで亡くなるまでの「ボク」と「オカン」の関わりが、「ボク」の成長に合わせて描かれています。
「ボク」の小さいころ→「ボク」の大学時代→「ボク」の社会人生活
というように「ボク」の人生をなぞっていくのですが、どの時代のシーンもゆっくりとしたテンポで日常が描かれており、まるで自分もその日常を過ごしているかのように没入しました。
淡々と一人の人生をなぞっていくストーリーですが、登場人物のキャラクターが味があるので、飽きずに楽しめました。
ちょっぴり昭和的な雰囲気の邦画や、誰かの人生をじっくりと追体験する作品が好きな人にはおすすめです。
第4位 A GHOST STORY
『A GHOST STORY』はデビッド・ロウリー監督作、2017年製作のアメリカ映画です。
ポスターや予告を見ると「ホラーなのかな?」と思ってしまいそうですが、この作品はホラーではありません。
一部「びくっ」となるような演出はありますが、そのようなシーンは全体のうち5分ぐらいしかないです。また、そういったシーンが視聴者を怖がらせる意図でつくられているわけではないのは、作品を観ていただけると分かると思います。
この作品がおもしろいのは、白い布を被ったゴーストの視点でストーリーが進んでいくところです。ゴーストはしゃべらないので、セリフなしの長回しのシーンが多いです。また、布のおかげでゴーストの表情も一切分かりません。
しかしこの”情報の薄さ”のおかげで、各シーンの情景に様々な思いを巡らすことができます。
主人公のゴーストは生前は奥さんと一戸建てで暮らしており、物語の前半はこの家でひたすら悲しみに沈む奥さんを見守るゴーストが描かれます。
しかし奥さんがその家を飛び出すというきっかけから、物語は全く予想しなかった展開に向かいます。
「魂はいつ死ぬのか」
そんなことを考えさせられる映画です。
哲学的な作品が好きな方におすすめ。
第3位 永遠に僕のもの
『永遠に僕のもの』はルイス・オルテガ監督作、2018年製作のアルゼンチン・スペイン合作映画です。
本作の主人公・カルリートスのモデルは、1971年のアルゼンチンで12人以上を殺害した連続殺人事件の犯人である17歳の少年。
彼がやったことは、事実だけを知るとかなりぞっとするものです。
しかし映画の中のカルリートスは、天使のような顔でダンスを踊るように優雅に犯罪を繰り返し、あっけらかんと人生を楽しんでいます。その姿は見ているこちらが爽快感を覚えるほど。
物語の途中からカルリートスは「ラモン」という少年と手を組むのですが、このラモンがまた濃いめの美青年。カルリートスと並ぶとめちゃめちゃ絵になります。
このコンビの尊さは異常で、もう二人の掛け合いだけで永遠に見ていられると思いました。しかし二人の仲もずっと続くわけではなく、そこがまた切ない・・・これ以上話すとネタバレになるので止めます(尊すぎて、語りたい欲が吹きこぼれそう)。
また、この映画は演出のセンスが並外れていて、色遣い・音楽・カメラワークのすべてに引き込まれます。「この世界観に浸っていたい」という気持ちが沸き起こる、中毒性の高い映画です。
蛇足ですが、『永遠に僕のもの』はこのランキングの中でも一番最近見た映画でして、劇中歌の『El Extraño del Pelo Largo』と『Llegara la Paz』を最近エンドレスリピートで聴いています。
第2位 グリーンブック
『グリーンブック』はピーター・ファレリー監督作、2018年製作のアメリカ映画です。
1962年のアメリカで起きた実話を映画化した作品で、あらすじは以下です。
ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。彼の名前はドクター・シャーリー、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。二人は、〈黒人用旅行ガイド=グリーンブック〉を頼りに、出発するのだが─。
参照:https://gaga.ne.jp/greenbook/about.html
人種差別というシリアスなテーマが根底にありますが、トニーとシャーリーのギャグのような掛け合いでストーリーが進んでいくため、楽しく観ることができます。
人種差別の理不尽さが全面に出るシーンもありますが、ラストシーンがいい意味でジーンと来るもので、後味が非常に良かったです。
『グリーンブック』はゴールデングローブ賞(※1)やアカデミー賞(※2)を獲得しており、映画界でも評価されています。
(※1)第76回 ゴールデングローブ賞
- 脚本賞
- 作品賞(ミュージカル・コメディ部門)
- 助演男優賞
(※2) 第91回アカデミー賞
- 作品賞
- 脚本賞
- 助演男優賞
第1位 ビリーブ 未来への大逆転
『ビリーブ 未来への大逆転』はミミ・レダー監督作、2018年製作のアメリカ映画です。
舞台は1970年代のアメリカ。女性が職に就くのが難しく、自分の名前でクレジットカードさえ作れなかった時代に、女性弁護士ルース・ギンズバーグが勝利した、史上初の〈男女平等〉裁判を描いた作品です。
この作品は、とにかく主人公の女性弁護士ルース・ギンズバーグとその家族の強さが魅力的です。
ルース・キンズバーグは貧しいユダヤ人家庭に生まれながらも努力を重ねて、名門ハーバード法科大学院に入学します。もうこの時点で強すぎる。
しかし名門を優秀な成績で卒業したにもかかわらず、「女だから」という理由でどこの法律事務所にも雇ってもらえない現実を突きつけられます。同じ女性として、このシーンはつらかった。
それでも弁護士の夢を捨てられないルースは、専業主夫になって母親の介護をすることが認められない男性の訴訟記録を見て、その男性の弁護を買って出ます。この裁判で勝つことをゴールに、物語が進んでいきます。
ルース・キンズバーグの頭脳力と精神力は計り知れないものですが、この強さは彼女の夫・マーティンの支えによるところが大きいです。
このマーティンという男性は、完璧すぎる夫です。
法律事務所で忙しく働きながら、妻のキャリアを応援して家事・育児の分担を笑顔で引き受けています。本当に完璧すぎる(2回目)。
これが女性活躍推進を目指す、現代日本の理想の家庭像ではないかと思いました。
仕事が忙しい振りをして家事・育児を奥さんに丸投げするすべての男性に、マーティ・キンズバーグという男性の姿を見せたいです。
話は変わりますが、法律を変えるとは社会を変えるということです。女性とか男性とか関係なく、社会を変える力を持つ法曹界の人ってすごいなとこの映画を観て思いました。
まとめ
正直1位~3位は僅差だったのですが、同じ女性としてとんでもなく刺激をもらった『ビリーブ 未来への大逆転』を堂々の1位に選ばせていただきました。
こんな個人の趣味全開なランキングを誰が好んで読むのだろうと思いましたが、自分が書いていて楽しかったので勢いで公開しました。
今回ランキングに上げた作品が、読書のどなたかの「これから観たい映画リスト」に入れば嬉しいなと思います。
それでは、よいお年をお迎えください。
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